ジュエルライブ マダムライブ

26の時、色々あって婚機を逃して、あっという間に十年経った。

婚約破棄した後、何人かの女性と付き合ったけど、どれも長続きしなかった。
一人でいる時間が長すぎて、なんかもーこのまま一人でもいいかって気になってた。

だから、ハッピーメールを使ってたのも、出会いを求めてっていうより、暇つぶし感覚が強かった。
不思議なもんで、こっちがガツガツしてないと、女性の方から積極的に会おうって言ってくるもんだ。

hapime

とはいえ、俺は会うのも面倒だと思ってたから、適当にからかって遊ぶだけだったけど。
会う気がないから、相手の住んでる地域とかも気にせず、気が向いた相手とやりとりしてた。
その中にいたのが、綾香だった。
綾香はまだ19の小娘で、ちょっと荒れた生活をしてる子だった。
ウリ目的で出会い系に登録したらしいが、何を間違えたのか、兵庫在住のくせに大阪に住んでる俺に声をかけてきた。
俺が大阪の人間だとわかると、途端に商売っ気をなくしたみたいで、変に媚びるのをやめてフランクに話すようになった。
そんなことから交流が始まった。
綾香は俺の何が気に入ったのか、自分の境遇とかを少しずつ話すようになった。
俺は俺で、「おやじウゼーww」とかストレートに言ってくる綾香を気に入っていた。

gyarukinpatu

そんな綾香と俺は、わけあって5日間一緒に暮らすことになった。
そうなるまでの経緯を要約する。
綾香は、あまり品行のよろしくない友達とつるんでおり、地元でイザコザを起こして、住んでいた家と地元を追い出されてしまった。
ドラマみたいな展開のもと、唯一県外の知り合い(?)である俺に助けを求めてきた。
それからまーとにかく色々あって、とりあえず家に置くことになってしまった。

「ことになってしまった」とか言うと格好つけてるみたいだけど、いきなり家に19歳の少女が転がり込んできて、ラッキー!と思えるのは相当ポジティブか相当アホのどっちかだ。

とにかく、俺と綾香の共同生活が始まった。

綾香は簡単な料理なら出来るみたいだったが、俺は普段自炊しないので、そもそも調理器具がない。
ちょうど家から歩いていける距離に、汎茶っていう、値段も安くて小ギレイなカフェがあって、滞在中、綾香はよくそこを利用してた。

そんな義理もないけど、一応社会人として、朝会社に行く前に食事代を渡した。
綾香はいつも律儀にお礼を言って、俺が帰るとレシートとおつりをくれた。

話しが前後するが、綾香の見てくれは、お人形さんみたいな顔した、ド金髪のギャルだ。
顔が小さくて体は細くて、本当に人形みたいな子だった。
ハッピーメールの登録写真もそんな感じで、相当加工してんなと思ってたら、そのままだったんで驚いた。
地元にいられなくなった理由も、ボス猿的な女の彼氏が綾香にちょっかいかけて、ボス猿を怒らせたとか、そういうやつだったが、まあ納得だ。

そんな外見の子がきちんとおつりとか返すんだぜ。
俺としては、ジャ〇アンがたまに良いことすると、物凄くいいヤツに見える、みたいな感覚だった。

休みの日になって、せっかくだから綾香をどこかに連れてってやることにした。
といっても俺は人ごみが苦手なんで、のんびりしたとこ限定。

なるかわ園地は俺の好きなスポットだったが、さすがに19の子を連れてくる場所じゃなかったかと、着いてから後悔した。

narukawa

当の本人は楽しそうで、
「こーゆーとこあんま来た事ない」
と、あちこち歩き回っていた。
若者の体力にはついていけない。
途中でヘバってたら、おっさんだと笑われた。

歩き回って疲れたので、石切温泉の日帰り入浴に入る。
綾香は日帰り温泉は初体験だと言っていた。
まあ、ヤンキーが温泉入ってる図もあまり想像できないからな。
どうでもいいけど、綾香はルックスが抜群な上に、今時金髪なんで、すごく目立つ。
同じくらいの年齢ならまだ良かったけど、俺と綾香じゃまるっきり援交だ。
…まあいいけど。

それから、綾香のリクエストでカラオケZEROに行って、ついでに昼飯を済ませた。
カラオケなんて久しぶりだ。

gyarukaraoke

綾香はめちゃくちゃ歌が上手かった。
「ジュディマリ歌ってくれない?」
って言ったら、
「ジュディマリって何?」
と言われた。
ジェネレーション…てやつか。
あと、綾香はフォンダンショコラにいたく感激してた。
「やべー!フォンダンショコラやべー!」
…可愛いのに口が悪い。

日も落ちてきたんで、市役所の展望ロビーを見せてやろうと思った。
市役所に入る前に綾香がしてきた質問に、俺はぶっ飛んだ。
「市役所って普通の人でも入っていいの?」

普通の人でも入れる市役所の展望ロビーから見る夜景はいつ観ても綺麗で、綾香もやべーやべーと大騒ぎしてた。

…とまあ、こんな感じで一回デートし、俺の家に5日泊まって、綾香は地元に帰っていった。
問題が解決して地元に戻れることになったわけじゃなくて、地元の友人に預けていた荷物を取りに。
なんやかんやあって、もうしばらく俺の家に住み続けることになってしまったのだ。

しつこいようだが、これでも俺は困っている。
ちなみに綾香の滞在中、俺は一度も手を出していない。
一度、綾香の方から、
「コレしかお礼できないから」
って言って迫ってきたことがあった。
正直迷ったけど、向こうにソノ気があるならともかく、切羽詰って体張ろうとしてる19歳に手は出せんかった。
元々ウリやってた子だっていうのを差し引いてもだ。

gokuu

とはいえ、これ以上一緒にいたら、手を出さない自信はないぞ!
この先俺と綾香がどうなるのか、楽しみなような不安なような…。

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