ジュエルライブ マダムライブ

独身のまま40歳になってしまった。
いやもう、30になってからずっと、やばいやばいという気持ちはあったけど、30代から40代に変わる節目を迎えて、いよいよ本気でヤバイ!!と思う自分がいた。
女性と付き合った事がないとか素人童貞とかそういうことはなく、人並みには恋愛もしてきたけど、残念ながら結婚に結びつく女性はいなかった。

親の勧めで結婚相談所のような所に行ったものの、そこで紹介されたのは僕の好みからは程遠い女性だった。
35歳だと言うが、僕と同じ40歳くらいに見える。
外見上で言えば、太っていない事くらいしか褒める点が見つけられない。
看護師の資格を持っているとかで、親はいたく気に入っていたが、2回ほど会って話が盛り上がった瞬間が一度もないし、好ましいところも見つけられない。
趣味も合いそうになく、ゲームとサバゲーが好きだと言ったら苦笑いされた。
”いい年して”とは自分でも思うけど、35にもなって若手男性アイドルグループのファンというんだから、相手も大きな顔は出来ないと思う。

気に入らない点をあげつらっていくとキリがないのだが、向こうは結婚に焦っている事と、僕の稼ぎが一般的な平均より少し良い事もあって、まんざらでもない感じなのがまた不愉快だった。
このまま特に相手がいない状態が続くと、無理やりにでも結婚させられてしまいそうだ。
独身の焦りと結婚のプレッシャーに苛まれていた時、同僚にワクワクメールのことを教えられた。

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暇と性欲を持て余した人妻から、割り切って遊びたい女性、お金目的の若くて可愛い子、真面目に恋人を探している人まで、よりどりみどりだと言う。
さすがにそんな上手い話を信じたわけではなかったが、何もしないよりはダメ元でもやってみるか、という感じで始めてみた。

右も左も分からない状態でスタートして一週間ほどが経ったある日、僕は桃子ちゃんという子の掲示板を目にした。
『サバゲー女子です。サバゲについて語れる人とか募集してますので、気軽に声かけてね』
僕は早速、桃子ちゃんのプロフを拝見しに訪れ、彼女の二十代後半という若さに躊躇しつつも、メールを送ってみた。

係わり合いが出来てから年齢で拒否されるのはいやだったので、最初から40のオッサンです、とカミングアウトしたのが逆に幸いしたらしい。
桃子ちゃんいわく、自分は元々年上好きだし、若い人だとあからさまにエッチ目的だったり、マナーの悪い男が多いので、40歳と聞いてむしろ安心したのだそうだ。

2.3回のやりとりでLINEのIDを交換して、直接連絡を取れるようになった。
主にサバゲ関連の話に花を咲かせているうちに、会ってお話ししてみませんかという流れに。
僕は地元姫路市から、桃子ちゃんの住む加古川市まで行くことになった。

桃子ちゃんの家は浜の宮公園の近くにあるということで、待ち合わせは浜の宮公園ということになっていた。
僕は桃子ちゃんの顔を、サバゲ用のフェイスマスクをした目元しか見た事がなかったので、どんな子が来るのかとドキドキしていた。

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実際の桃子ちゃんは、丸顔でネコ目で肌の綺麗な、ちょっと歯並びが悪いことを除けば可愛い部類の女の子だった。
最近はこんな可愛い子がサバゲするのかと、妙な感心をしたものだ。

加古川駅からすぐのところにある、ピッチェリアアネッロというピザの店で食事をしながら、色んな話をした。
桃子ちゃんはゲームも幅広くやるようで、どのシミュレーションが面白かったとか、最近発売された某有名RPGの画像が綺麗すぎてやばいとか、楽しそうに話してくれた。
「この前店頭でバイ〇ハザードの最新作のデモやったけど、すごかったですよー。基本FPSみたいな一人称視点なんですけど、ああいうゲームあんまりやらないんでめちゃくちゃ怖くて、VRで見たら気絶するかも」
「ああ、僕はシリーズコンプしてるんで多分7も発売されたら買うと思うけど、古参のファンの間では主観視点に賛否両論るみたいだね」
「そうなんですか?私は面白かったけどなあ」
「クリアしたら貸してあげようか」
「ホントですか?やったー!」
二十代の女の子とピザを食べながらこんな話をする日がくるとは思わなかった。
高い寿司屋で、老け顔女のつまらない昔話だの職場のグチだの聞かされていた時間とは比べ物にならないくらい楽しい。

ランチタイムを終えて、僕達は志方町にある加古川CQBというサバゲフィールドへ向かった。
僕は元々他県出身者で、サバゲの際にはいつも遠征していたので、実は兵庫県内のフィールドには詳しくなかった。
桃子ちゃんが言うには、そこは兵庫県では初の野外フィールドらしい。
志方西トンネルに向かって北上して、面向谷古墳を過ぎてしばらくした辺りにフィールドがあった。

今日はそこのシューティングレンジ(エアガンや電動ガンの射撃場みたいなもの)を使わせてもらうことになっていた。
僕はこのために、コレクションのいくつかを後部座席に積んできていた。
桃子ちゃん用にP90、カスタムしすぎて原型をとどめていないAKS74U、そしてとっておきのL96、あとは最近衝動買いした次世代タイプを二つほど。
L96を見た桃子ちゃんは、僕的に『打てば響く!』みたいな反応をしてくれた。
「うわー!ロマン武器ですね!かっこいい……エアーコッキング萌え!!」
「あはは、ありがとう。桃子ちゃんは普段P90って言ってたよね?」
「そうですけど、こんなイイ感じにカスタムしてないです。やっぱりサイレンサーついてるとカッコいいなあ」
「まあ、お飾りだけどね。そのぶん重くなるし」
「そうなんですよねー。半日振り回すと筋肉が…」
そんなふうに謙遜しつつも、桃子ちゃんの射撃のポーズはなかなか様になっていた。
キュロットスカートからスラッと伸びた脚が綺麗で、つい見とれてしまう。
猫目とシューティンググラスがすごくマッチしていて、これがいわゆる”萌え”ってやつか、なんて思った。

それから、鶴林寺公園の向かいにあるお宝市番館にミリタリーグッズやゲームを見に行った。
「あっ!ペ〇ソナ5だ!これやりました?めちゃくちゃ面白いから、やれやれって周りに勧められてるんですけど、今テ〇ルズでいっぱいいっぱいだしなー」
「これはねえ、確かに面白いよ。やりこみ要素も強いから、周回プレイ必須って感じかな。僕はもう2週目クリアしたから、今日持ってきてあげれば良かった」
「ええー、大輔さん持ってたのかあ。じゃあ次会うときぜひ!」
何気に”次会う時”と言ってもらえたのが嬉しかった。
また次の機会があるということだ。
親子ほどとまではいかないけど、一回り以上年上のオッサンと過ごして楽しいのかなと心配な部分もあったので、桃子ちゃんにそう言ってもらえると安心する。

初回からあまりマニアックな場所ばかり行くのもどうかと思ったので、今度は趣向を変えて兵庫県立フラワーセンターへ行った。
広い園内をゆっくりと散歩しながら、桃子ちゃんと尽きる事なく話をした。
「次世代ってやっぱりリアルですねー。あの衝撃が”撃ってる!”って感じします」
色とりどりの花を見ながらも、話題は結局マニアックなものだったけれど。
いこいの森やつつじの小道を歩きながら、あのブッシュは隠れやすそうだとか、あそこは絶好の狙撃ポイントだとか、そんな事を言っては笑いあった。

夕飯は、平岡町にあるライフタウン2階のヒップスターというダイニングバーへ行った。

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「ポークリブめちゃくちゃ美味しいです!!」
なんて言って、桃子ちゃんは旺盛な食欲を見せていた。
僕もこの歳になってまだ大の肉好きなので、食の趣味も合いそうだ。
たびたび引き合いに出して申し訳ないが、結婚紹介所で知り合った女性は、大した外見でもないのに、やたらと「カロリー気にしてますアピール」が激しくて辟易したものだ。

初回のデートはこんな感じで終わり、その後も桃子ちゃんと何度か会った。
ゲームの貸し借りをして、サバゲの定例会に一緒に参加したり、みとろフルーツパークで味覚狩りをしたり。(途中からサバゲのシミュレート状態になってしまったが)
ちょっと変り種で尾上神社にも行った。
日本庭園を歩きながら、
「狙撃するならあの松の枝が邪魔ですね」
なんて、相変わらずな話をした。

どのくらいデートを重ねただろうか。
僕達は自然と男女としてお付き合いをするようになり、大堰記念公園そばのアンの森というホテルで初めて結ばれた。
最初はごく普通のセックスだったと思う。

ところが、回数を重ねるうちに、桃子は次第に本性というか、隠し持っていた願望みたいなものを露にしていった。
ざっくり言ってしまうと、『敵兵に捕らえられた女兵士が陵辱される』みたいなプレイがしたいと。
桃子は僕が思っていたよりもはるかに、ミリタリーにどっぷりハマっていたらしい。
まさかセックスにまで盛り込んで来るとは、と驚いたけど、僕も正直そういうイメプレは嫌いじゃない。
市野口町のFEATHERというラブホテルに行った時、本格的にチャレンジしてみた。

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U.S.ARMYの上下で完全武装という気合を入れた装備に着替えた桃子を、ドイツ連邦風の僕が捕らえるという設定。
「敵兵捕獲!…ん?なんだお前、女か?」
みたいな小芝居から始まって、デューティーベルトで体を拘束し、迷彩服を脱がしきらない程度に脱がした。
迷彩服から生乳がこぼれ出ている絵というのはなかなか興奮する。
「お、乳首が硬くなってきたな。この状況で感じているのか。とんだ淫乱兵だ」
最初は気恥ずかしさがあった台詞も、ノってくるとスラスラっと出てくる。
ネックスカーフを猿轡みたいに噛まされた桃子は、頬を上気させて身もだえしていた。
「女兵士のマ〇コをご開帳だ!」
僕は調子に乗って、大股開きにした桃子の恥ずかしいところを広げ、更にインテリスコープでじっくりと観察してやった。
自分のスコープに女性器が映し出される日が来るとは思わなかった。
桃子はイヤがる芝居をしながらも、念願かなって喜んでいるようで、おもらしをしたように股を濡らしていた。

それからというもの、僕自身もすっかりミリタリー陵辱プレイにはまってしまい、普通のセックスではあまり萌えなくなってしまった。
まあそれはともかくとして、桃子のおかげで不本意な相手とデートしなくても済むようになったのは大変ありがたい。
僕の親も初めのうちこそ、
「ちょっと若すぎない?」
なんて心配していたけど、桃子がきちんと挨拶してからは歓迎ムードだ。
最近では、
「逃げられないうちに早く結婚しなさい」
なんて急かしてくる。

唯一問題があるとすれば、桃子とのプレイに溺れた僕は、普通の定例会で桃子のアーミーファッションを見ただけでも、息子が騒いで仕方なくなるという特異体質になってしまったこと。
なんというか、条件反射でそうなってしまうのだ。
他人からしたら聞いていられないような馬鹿馬鹿しいノロケ話かも知れないけど、僕は結構真剣に悩んでいる。

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